高齢者の急性虫垂炎の特徴

外科

高齢者の急性虫垂炎が、高齢化に伴い増加しています。

しかし、高齢者は症状が分かりにくいことが多く、診断が難しいです。

そもそもお腹が痛いのかどうかすら分からない、認知症のため身体所見が全く当てにならない、なんていうことも頻繁にあります。

今回は高齢者の急性虫垂炎に関して学びましょう。

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高齢者の急性虫垂炎の特徴

高齢者の特徴として、

  • 自覚症状が弱い
  • 来院するのが遅い
  • 基礎疾患を持つ人が多い

ということが挙げられます。

そのためその死亡率は高くなります。

60歳以上の占める割合は急性虫垂炎全体の約10%以下ですが、全死亡例の50%以上を占めています。

高齢者の急性虫垂炎は穿孔していることが多い

高齢化による虫垂の血流障害が起こりやすかったり、虫垂に構造的な変化があるため穿孔を起こしやすいと言われています。

穿孔すると周術期の合併症率や、入院期間が長くなります。

Toniらは、以前と比較してCTの実施率が増しており、その影響か、穿孔した症例が72%から51%に減っていたと報告しています。(ちなみに死亡率には差がありませんでした)

今後もCTの重要性は増していきそうです。

高齢者は症状が分かりにくい

高齢者は診断が難しいことも穿孔や見逃しなどが起こりやすい原因となります。

Horattasらは、60歳以上の96 例の急性虫垂炎の検討から、典型的な症状(右下腹部痛・嘔気・発熱・白血球増多)が揃っていたのは、20%だけであったと報告しました。

自覚症状が軽い結果、3分の1は発症48時間以上経過してから来院していました。

また、典型的な症状を呈さないことが多いため、入院時に急性虫垂炎が疑われたのは、51%のみでした。

入院後83%が24時間以内に手術されましたが、そのうち72%は既に穿孔していました。

まとめ

高齢者が腹痛を主訴に来院した場合、発熱や白血球増多がなくても、鑑別診断に必ず急性虫垂炎を挙げておくべきです。

さらに広く、ちょっとした体調不良であっても鑑別診断に挙げた方が良いかもしれません。

高齢者ではCTを実施する検査域値を低くしておいた方が良さそうです。

また高齢者は悪性腫瘍の合併が多いので、CTの読影の時には普段以上に注意が必要です。

参考文献

A reappraisal of appendicitis in the elderly - PubMed
Historically, appendicitis in the elderly is associated with higher morbidity and mortality. Ninety-six patients over 60 years of age with appendicitis treated ...
Acute appendicitis in the elderly; Pakistan Ordnance Factories Hospital, Wah Cantt. experience - PubMed
Acute appendicitis needs to be considered in the differential diagnosis of all patients with abdominal pain. A high index of suspicion is necessary to guard aga...
What have we learned over the past 20 years about appendicitis in the elderly? - PubMed
Appendicitis in the elderly is a difficult problem with delays in medical care, non-typical presentation resulting in incorrect diagnosis, relatively high rates...

 

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