ブラウン吻合の目的と効果のまとめ(DGE予防にもなるかもしれない)

ブラウン吻合外科

意外と知られていないブラウン吻合の目的や効果についてまとめてみました。

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ブラウン吻合とは(Braun enteroenterostomy , Braun jejunojejunostomy)

下記のような場合において、輸入脚と輸出脚とを吻合することをブラウン吻合と呼ぶ。

ブラウン吻合

  • 幽門側胃切除術において、Billroth II法(ビルロートⅡ法:Treiz靱帯から10~20cmの空腸を挙上し、残胃と側々吻合を行う方法)で再建する場合
  • 幽門狭窄などに対して食物路のバイパス路作成のための胃空腸吻合術を行う場合
  • 膵頭十二指腸切除術で胃空腸吻合(幽門温存する場合は十二指腸空腸吻合)をする場合

 

ブラウン吻合 目的

ブラウン吻合の目的

Braun吻合の本質的な目的は、空腸内容物を輸入脚から輸出脚へと迂回させることである。

これによって、下記の効果が期待できる。

逆流性胃炎の予防

アルカリ性の十二指腸液(胆汁や膵液など)が胃内に流入するのを軽減することができる。これにより、逆流性胃炎を予防する。

逆流性胃炎を低減することで、残胃癌の発症リスクを軽減させることも期待される。

胆汁逆流や嘔吐を減少させる

食道裂孔ヘルニアがある場合にはビルロートⅡ法は避けるように言われているのは、胆汁逆流による不快感が強くなるからである。

ブラウン吻合によって、胃内への胆汁の流入が減り、胆汁逆流による「苦いのが上がってくる」という不快感を和らげることができる。

消化不良の軽減

アルカリ性の十二指腸液の流入が減ることで、胃酸が中和されることによる消化不良を軽減する可能性がある。

輸入脚症候群の予防

食物が誤って輸入脚に流入してしまう可能性がありえるが、ブラウン吻合があれば、輸入脚から輸出脚へと迷入した食物が排泄されることが期待できる。

また、輸入脚と胃との間の吻合部狭窄が起こったとしても、ブラウン吻合を介して十二指腸液が輸出脚へと流れる。

これらによって輸入脚の閉塞を防ぎ、輸入脚症候群を予防する。

膵頭十二指腸切除術後の胃内容排泄遅延(DGE)の予防

近年盛んに研究されているのがDGEの予防効果である。

まだ諸説ある状況で、質の高いランダム化比較試験がないが、どうやら予防効果はありそうな印象である。

理論的には、

  1. 逆流性胃炎による胃の蠕動障害の軽減
  2. 輸入脚と輸出脚の固定が定まることによる、捻れや角度の異常の予防
  3. 胃内容物の減少による胃内の圧力の低減

などが効果を発揮していると言われている。

さらにまだ眉唾モノの報告だが、挙上空腸脚の圧力が低下することで、胆汁瘻や膵瘻が減るかもしれないというデータもある。

PDにおけるブラウン吻合の効果については、今後のさらなる研究が期待される。

膵頭十二指腸切除術後の遅発性胃空腹の減少に対するブラウン吻合の影響:前向き無作為化比較試験

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