術前化学放射線療法のアドヒアランスは無病生存期間関連する「CAO/ARO/AIO-04 試験の事後解析」

外科
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CAO/ARO/AIO-04 試験とは

CAO/ARO/AIO-04 試験は、「局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法および術後補助化学療法における5-FU + L-OHP vs. 5-FUの無作為化第III相試験」である。(5-FU:フルオロウラシル、L-OHP:オキサリプラチン)

この試験で、L-OHPを併用した、局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法 + 術後補助化学療法は、忍容性・コンプライアンスともに良好で、pCR率の増加を認めた。
主要評価項目である無病生存(DFS)は、観察期間中央値50ヵ月の時点で3年DFSが71.2% vs. 75.9%と、L-OHP併用により有意に良好な結果であった (HR=0.79, p=0.03)。

今回は、その事後解析である。
ここでは、「局所進行直腸癌患者におけるネオアジュバント化学放射線療法および/またはアジュバント化学療法の治療アドヒアランスが、無病生存期間と関連しているか?」という疑問を検証している。

背景

多くの第 3 相試験が発表されているにもかかわらず、直腸癌患者の治療アドヒアランスと転帰との関連については、まだほとんど研究されていない。
そこで、CAO/ARO/AIO-04試験において、直腸癌患者における治療アドヒアランスと無病生存期間(DFS)との関連を解明することを目的にこの事後解析を実施することとなった。

デザイン、設定、および参加者

この第 3 相無作為化臨床試験の事後解析は、2006 年 7 月 25 日から 2010 年 2 月 26 日まで、80 施設の直腸腺癌患者 1232 名を対象に実施された。
統計解析は2019年5月5日から2020年2月2日まで実施された。

介入

合計625人の患者が5-FUベースのネオアジュバント化学放射線療法(nCRT)を受け、合計607人の患者がL-OHPを追加した5-FUベースのnCRTを受けた。
根治手術を受けた 1126 例のうち、439 例が5-FUを用いた補助化学療法を開始し、419 例がL-OHPを加えた5-FUを用いた補助化学療法を開始した。

主要アウトカムと評価

nCRTおよび術後補助化学療法のアドヒアランスとDFSとの関連性を、両群ともに治療前の集団で評価した。

結果

5-FUによるnCRTを受けた625人(男性442人、平均年齢63.0歳)と、5-FUによるnCRTを受けた607人(男性430人、平均年齢63.0歳)の患者で、DFSとの関連性が評価された。
L-OHPを追加した5-FUベースのnCRTを受けた607人の患者のうち、中央値50ヵ月(中間値範囲、38~61ヵ月)の追跡調査後の3年DFSは、5-FU群で71.1%、5-FU-L-OHP群で75.8%であった(ハザード比[HR]、0.803;95%CI、0.651~0.990;P = 0.04)。
全体では、5-FU nCRT群の患者419人(67.0%)および5-FU-L-OHP nCRT群の患者434人(71.5%)が術前nCRTを完遂した。
同様に、5-FU群では439人中253人(57.6%)、5-FU-L-OHP群では419人中134人(32.0%)が術後補助化学療法を完遂した。
nCRTへのアドヒアランスは、両群で3年DFSと関連していた
5-FU群(CR vs nCR HR、1.325;95%CI、0.959-1.832;P = 0.09;CR vs PR HR、1.877;95%CI、1.147-3.072;P = 0.01)
5-FU-L-OHP群(CR vs nCR HR、1.501;95%CI、0.980-2.299;P = 0.06;CR vs PR HR、1.724;95%CI、1.144-2.596;P = 0.009)
一方で対照的に、術後補助化学療法は、いずれの群においてもDFSと関連していなかった
5-FU群(CR vs nCR HR、0.900;95%CI、0.559-1.448;P = 0.66;CR vs PR HR、1.057;95%CI、0.807-1.386;P = 0.69)
5-FU-L-OHP群(CR vs nCR :HR、1.155;95%CI、0.559-1.448;P = 0.66)。HR、1.155;95%CI、0.716-1.866;P = 0.56;CR vs PR HR、1.073;95%CI、0.790-1,457;P = 0.65)

結論

これは直腸がん患者の治療アドヒアランスといくつかの臨床転帰との関連性を評価した第3相試験の最初の解析とされる。
nCRTの投与量とスケジュールの最適化や、良好なアドヒアランスの重要性が強調される結果となった。
アドヒアランスを向上させるための支援戦略の必要性も示唆される。

まとめ

この解析で、ネオアジュバント化学放射線療法のアドヒアランスは、無病生存期間と有意に関連していた。
今後は、nCRTのアドヒアランスを向上させるための綿密なモニタリングと支援策を講じる必要があると思われる。

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