再発性憩室炎に手術を行うべきか【LASER試験】

外科

2020年のJAMA SurgeryにLASER試験という「憩室炎後の待機的腹腔鏡下S状結腸切除術と保存的治療を比較した無作為化臨床試験」が報告された。

Laparoscopic Sigmoid Resection vs Conservative Treatment in Improving Quality of Life in Diverticulitis
This randomized clinical trial assesses whether sigmoid resection is superior to conservative treatment in improving quality of life of patients with recurrent,...

これは、「再発性憩室炎、複雑性憩室炎、憩室炎後の慢性疼痛を有する患者において、待機的S状結腸切除は生活の質(QOL)を向上させるか?」という疑問を検証した試験。

成人 85 例を対象としたこの無作為化臨床試験では、ベースラインから 6 ヵ月間の間に Gastrointestinal Quality of Life Index(GIQLI)スコアは、S状結腸切除術群で 11.8 ポイント、保存的治療群で 0.2 ポイント改善し、統計学的にも臨床的にもS状結腸切除術群の方で有意な改善が認められた。

ただし、S状結腸切除術に無作為化された41例のうち、4例(10%)に重篤な合併症が認められた。

結果だけ見ると、手術した方が良さそうだが、注意点がいくつか。

まず、無作為化後6カ月以内に、保存的治療群では12例が再発性憩室炎を発症したのに対し、外科的治療群では2例であった。再発エピソードはすべてHincheyグレードIaと軽度の憩室炎であった。

歴史的には、若い患者では1回の再発で、高齢者では2回目の再発で待機的S状結腸切除を行うことが多かった。これらは、危険な合併症の再発を予防するために推奨されているが、実際に再発した憩室炎で重篤になることは多くないとされている。

QOLにおいては有意に劣っていたにも関わらず、保存的治療群でも、自身の選択した治療方針について、手術群と同等に満足していたというのは興味深い。

10%というCD分類Ⅲ以上の合併症のリスクを許容できるか否かが選択の分かれ目になりそう。

ちなみに、この試験の前に2016年のLANCETでDIRECT試験というランダム化比較試験が発表されている。

Surgery versus conservative management for recurrent and ongoing left-sided diverticulitis (DIRECT trial): an open-label, multicentre, randomised controlled trial - ScienceDirect

ここでも同様に、待機的S状結腸切除術は、合併症のリスクを内在しているものの、憩室炎後の憩室炎再発や持続的な腹痛を有する患者において、保存的治療よりもQOLが向上するという結果となっている。

最終的に手術するか否かは、合併症のリスク、QOLの改善を慎重に天秤にかけて検討する必要がありそう。

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