虫垂憩室症の頻度・特徴・治療方針

外科

時折、急性虫垂炎でやたら早期に穿孔していたり、先端や糞石が嵌まっていた場所ではないところが穿孔したりしている症例に遭遇します。

そんな時は虫垂憩室が関与しているかもしれません。

虫垂憩室について概略を学びましょう。

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虫垂憩室の頻度

Liptonらは、3343 例の急性虫垂炎の中で、2% (68 例)の虫垂憩室炎があったと報告しています。

30歳以下では急性虫垂炎の1%ですが、30歳以上では5.7%で、30歳以後に頻度が多くなります。

後天性の仮性憩室がほとんどで、筋層を有する真性憩室は0.02%と報告されています。

以前は術前診断が困難でしたが、CTの精度が向上し、術前に診断がつく症例が増えています。
薄層スライス画像に加えて、水平断や冠状断や矢状断など多方向からの画像を読影できるようになったことで、より診断精度が向上しています。

虫垂憩室の発生機序

仮性憩室が炎症・攣縮・狭窄・閉塞などによる虫垂内圧の上昇によって、壁の抵抗が弱いところを貫いて二次的に発生するとされています。
一方、真性憩室は、先天性とされています。

腸管膜の血管が貫通する部分が壁の抵抗性が弱く、間膜側に仮性憩室が発生しやすいと言われています。

虫垂憩室の特徴

虫垂炎と比較した虫垂憩室の特徴として、
①悪心・嘔吐などの消化器症状が少ない
②腹痛は軽度だが、症状発症後早期から右下腹部痛が限局しやすい
③経過が長く緩慢である
④高齢者に多い
⑤急性虫垂炎のような症状を反復していたことが多い
などの特徴を挙げられています。

憩室の箇所は、壁の抵抗性が弱くなるため、穿孔しやすくなります。通常の急性虫垂炎の4倍ほど穿孔しやすいと言われます。

治療方針

虫垂憩室がもし偶然発見された場合には、穿孔の頻度が高いので切除すべきであるという意見もあります。

少なくとも、急性虫垂炎に伴う虫垂憩室の場合は、穿孔のリスクが高いため、軽症であっても積極的に手術を検討した方が良さそうです。

参考文献

虫垂憩室炎の検討

diverticular disease of the appendix

 

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