【虫垂炎の疫学】年齢、性別、季節などで差はあるのか?

急性虫垂炎の疫学外科
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はじめに

虫垂炎は子供や若年者に多いというのは医師ならば誰もが知っている事実ですが、実際のところ、どれくらいの頻度なのでしょうか?

今回は虫垂炎の疫学について、最も大規模なデータを紹介します。

1990年の発表でかなり古く、米国でのデータにはなりますが、最も引用されているデータになります。

虫垂炎の疫学

Addiss DG, Shaffer N, Fowler BS, Tauxe RV. The epidemiology of appendicitis and appendectomy in the United States. Am J Epidemiol. 1990;132:910-925.

1979〜1984年のデータを分析した論文です。

この期間に、毎年約250,000件の虫垂炎が発生し、のべ約100万日の入院期間を要しました。

これは、1日およそ685件、約2分毎に1件というすさまじい数になります。

1件辺りの入院では約4日間となり、やはり日本よりは短い印象です。

虫垂炎は子供や未成年に多い

最も発生率が高かったのは、10〜19歳(人口10,000人あたり23.3人)でした。

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免疫系が活発なために、虫垂根部付近のリンパ節が腫れやすく、虫垂根部が閉塞しやすいのかもしれません。

虫垂炎は男性に多い

また、先ほどのグラフの通り、すべての年齢層で男性は女性よりも虫垂炎の発生率が高いことも分かりました。全年齢で統合したところ、男女の比率は、1.4:1でした。

虫垂炎の生涯罹患リスクは男性で8.6%、女性で6.7%でした。

男性は生涯で11.6人に1人が、女性は生涯で14.9人に1人が虫垂炎になるという計算になります。

ちなみに、虫垂切除を受ける生涯リスクは、男性で12.0%、女性で23.1%でした。

これは、古いデータなので、negative appendectomyやincidental appendectomyが、CTの発達した現代よりは多いのが影響していると思われます。

虫垂炎は白人に多い

白人は発生率が高く、非白人の1.5倍でした。

原因は全く不明ですが、虫垂の長さなどの差があるのかもしれません。

虫垂炎は夏に多い

夏の方が発生率が高く、冬よりも11.3%高くなります。

これだけの差が出るからには、特定はされていないものの、何らかの流行性がありそうです。

実際に、急性虫垂炎の救急からの入院には、流行り廃りがあるというのは、外科医の実感とも一致すると思います。

まとめ

虫垂炎は、

  • 10〜19歳で最も頻度が高く、子供や未成年者など、若年者に多い
  • 男性に多い。男女の比、1.4:1
  • 虫垂炎の生涯罹患リスクは男性で8.6%、女性で6.7%
  • 白人に多い
  • 夏に多い
外科
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