機能的端々吻合…外科手術ではよく聞く医療用語ですが、初心者にはサッパリ意味不明です。
この記事を読んで、まずは基礎知識を固めましょう。
この記事では、
こんな疑問に答えます。
はじめに結論のまとめです。
この記事を読めば、機能的端々吻合に関する一般的な知識が身につきます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
機能的端々吻合の読み方
『機能的端々吻合』は『きのうてき たんたん ふんごう』と読みます。
機能的端々吻合の英語名や略称
この『機能的端々吻合』という名称は、英語名の『functional end-to-end anastomosis』をそのまま和訳したものです。
英語圏では、機能的端々吻合のことを『FEEA』と略して呼びます。feeaというのは、上記のFunctional End-to-End Anastomosisを略したものです。
日本語では、英語名の最初の単語から、機能的端々吻合のことを『ふぁんくしょなる』と略すことが多いです。
また、手縫い吻合に対して、『器械吻合』と呼ばれることもあります。
機能的端々吻合とは
機能的端々吻合とは、医療用語のひとつで、外科手術における、自動縫合器(リニアステープラー)を用いた消化管の吻合方法の一種です。
機能的端々吻合は、Steichenによって1968年に初めて報告されました。
ごくごく大まかに言うと、FEEAは以下の3つのステップから成る方法です。
- 自動縫合器(リニアステープラー)を用いて、消化管の口側および肛門側をそれぞれ切離
- 断端付近の側面同士をステープラーにて吻合
- 共通孔をステープラーにて閉鎖する
機能的端々吻合の意味
機能的端々吻合の意味は、『解剖学的には側々吻合だけど機能的には端々吻合』ということです。
かなり意味不明だと思うのでひとつずつ説明します。
端々吻合と側々吻合
端々吻合というのは、消化管の『断端』と『断端』を吻合する方法です。
end-to-end な吻合ですね。
端々吻合に対して、側々吻合(そくそく ふんごう)というものがあります。
これは、消化管の側壁と側壁同士を吻合する方法です。
こちらは英語ではside-to-side anastomosisです。
ビルロートⅡ法の胃空腸吻合が代表的です。
機能的端々吻合の『機能的』の意味
上記のような分類でいくと、機能的端々吻合は、解剖学的には側々吻合です。
しかし、術後に吻合部を大腸内視鏡で見ると、内腔はまるで端々吻合で吻合したように見えます。
便の流れなど、機能的には端々吻合と同様だということで、機能的端々吻合は、解剖学的には側々吻合でも、機能的端々吻合と呼ばれるのです。
機能的端々吻合のメリットとデメリット
手縫い吻合に比べて、機能的端々吻合には以下のようなメリットとデメリットがあります。
機能的端々吻合のメリット
- 吻合が短時間で完了する
- 吻合口が広い
- 異なる口径の腸管同士も吻合しやすい
- 手技が手縫いより簡便で、吻合の質が安定しやすい
機能的端々吻合のデメリット
- ステープル同士の交差点が脆弱
- 吻合部の股となる部分が脆弱
脆弱な部分は縫合不全の原因となりやすいため、通常は手縫いで補強されます。
機能的端々吻合を利用する主な手術
機能的端々吻合は、消化管の十分な授動がなされていれば、広く汎用される吻合法です。
なかでもとくに役立つ手術は以下の通りです。
- 右半結腸切除での回腸結腸吻合
- ループ式回腸ストマ閉鎖
- 外傷による消化管損傷に対する切除・吻合
- 腹腔鏡補助下幽門側胃切除でのデルタ吻合
- 完全腹腔鏡下の右半結腸切除
まとめ
最後に、この記事の内容のまとめです。
さらに吻合に興味がある方は、こちらも参考にして下さい。
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参考