腹腔鏡下遠位膵切除(LapDP)と開腹手術(OpenDP)の術後入院期間の比較【ランダム化比較試験】

外科

これまでの研究では、腹腔鏡下遠位部膵切除術(LDP)は開腹型遠位部膵切除術(ODP)と比較して、入院期間、出血量、回復の点で有利であることが示唆されているものの、無作為化試験での評価はされていませんでした。

というわけで、ランダム化比較試験により腹腔鏡下遠位部膵切除術(LDP)は開腹型遠位部膵切除術(ODP)の入院期間を比較したのがこのBJSに掲載された試験です。

Comparison of the duration of hospital stay after laparoscopic or open distal pancreatectomy: randomized controlled trial

 

スポンサーリンク

方法

集学的腫瘍委員会で評価され、標準的な遠位部膵切除術を予定している連続した患者を対象に、非盲検、並行群、単一施設の優越性試験で、LDPまたはODPにプロスペクティブに無作為に割り付けられた。 主要転帰は術後の入院期間であった。

結果

スクリーニングされた105例のうち、60例が無作為化され、58例(女性24例、41%)がintention-to-treat解析に含まれた。

主な適応は嚢胞性膵臓病変、次いで神経内分泌腫瘍(NET)であった。

術後の在院日数の中央値は、腹腔鏡下手術群で5日(i.q.r. 4-5)であったのに対し、開腹群では6日(5-7)であった(P = 0-002)。

機能回復までの期間は中央値でそれぞれ4日(IQ2-6)対6日(4-7)で、腹腔鏡群の方が短かった(P = 0-007)。

手術時間は両群とも120分で有意差なし(P = 0-482)。

出血量は腹腔鏡の方が少なかった。腹腔鏡群は中央値50ml(i.q.r. 25~150)、開腹群では100ml(100~300)(P = 0-018)。

合併症率(Clavien-DindoグレードIII以上:それぞれ4人対8人)に差は認められなかった。

胃内容排出遅延(DGE)と臨床的に有意な術後膵瘻の発生率は両群間で差がなかった。

結論

腹腔鏡下遠位膵切除(LDP)は開腹手術(ODP)よりも入院期間が短く、機能回復までの期間が短く、出血も少ない。

コメント

良性疾患に対するDPは腹腔鏡の方が良さそうであるという結果となった。

過去のLEOPARD試験との違いとして、腹腔鏡の手術時間が短いことや膵瘻が少ないことが議論されているが、単一施設と多施設研究の違いや、脾臓摘出の有無が影響した可能性が示唆される。

症例数が少ないので、もっと大規模な試験でも見てみたいところ。

悪性疾患に対して、郭清を伴う場合の術後経過や長期予後などがどうなるかも見てみたい。これについては、DIPLOMA試験というのが進行中のようです。

外科
スポンサーリンク
シェアしてみんなにも教えてあげましょう!
Yasuのフォロー・応援をお待ちしています!
目指せ、トップナイフ!〜消化器外科医のブログ〜

コメントで一緒に記事を盛り上げましょう!

タイトルとURLをコピーしました