「動画付き」機能的端々吻合(functional end-to-end anastomosis : FEEA)の方法

外科

機能的端々吻合は近年最も頻繁に利用されている吻合法であり、消化器外科医は必ずマスターしておく必要があります。

今回はその方法について解説します。

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機能的端々吻合の方法

腸管の授動

吻合を安全かつ確実に行うために、事前に十分に腸管を授動しておく必要があります。

授動が不十分だと、視野が十分に確保できなかったり、組織に無理な力がかかってしまいやすく危険です。

腸管の断端に小孔を開ける

口側および肛門側の腸管のステイプルラインのすぐ傍で、腸間膜の反対側に小孔を設けます。

FEEA

腸管は伸びたり裂けたりしやすく、穴が広がりやすいため注意。穴はなるべく小さくした方が、最後の穴の閉鎖がしやすくなります。

ちなみに、腸間膜対側に穴を開けるのは、腸管壁内の血管をなるべく切断しないようにして、虚血や出血を防ぐためです。

腸管内を清拭

吻合部に便や癌細胞を噛みこまないように、吻合部となる腸管の粘膜は十分に清拭しておきます。

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自動縫合器(ステープラー)の挿入

腸管同士の機能的端々吻合の場合は、自動縫合器は60mmのものを使用することが多いです(80mmのステープラーを使用することもある)。

機能的端々吻合

腸管断端のステープルラインをアリス鉗子などで把持して、腸管を少し挙上し、直線化します。

その後、小孔から、腸管内へステープラーを愛護的に挿入します。これはしばしば「靴下を履かせるようなイメージで」と例えられます。

ステープラーの挿入は、2つ同時に行わずに片方ずつ順番に行います。最初に、より自由に動く方の腸管から挿入し、動きづらい腸管には後から挿入しましょう。

ステープラーのアンビルフォーク(細い方)は小孔が小さい方へ、カートリッジフォーク(太い方)は小孔が大きい方へ挿入します。

腸間膜が捻れないように注意してください。

ファイアする

吻合口がちょうど腸間膜の反対側にくるように、助手が腸管壁を合わせます。不安なら数針縫合して仮固定しても良いです。

ステープラーを完全に噛み合わせてから、ファイアするまでに数秒間待ちます。これによって組織の厚みが薄くなり、良型のステープル形成につながる。時間は適当なことが多いが、5〜10秒は待つことが多いです。この間に、腸間膜が捻れていないか、腸間膜対側での吻合になっているかなどを再確認しておきましょう。

準備が整ったらファイアします。ここで手術チームで声を合わせて「ファイア!」と合唱するのが教科書には書いていない不文律ですね(笑)。

ファイアは、浮腫などで組織が厚い場合にはゆっくり時間をかけて行った方が、良型のステープル形成ができます。

また、ファイア後は、すぐにカッターを戻さずに、15秒間ほど待つことで、良型のステープル形成ができます。

もちろん大前提として、各種ステープラーの使用方法には習熟しておく必要があります。

機能的端々吻合

内腔の確認

ファイアしたら、吻合部に出血がないか内腔の確認を行いましょう。もし出血があれば3−0吸収糸で止血します。

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共通孔の閉鎖

まずは吻合した際のステープルラインがV字型に開くように共通孔を直線化して仮閉鎖します。

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この時、最初の腸管切離の際のステープル同士が重ならないように少しずらして下さい。ここをずらしておかないと最後の共通孔閉鎖のステープルラインも合わせて三重になってしまい、縫合不全のリスクとなります。

仮閉鎖はアリス鉗子を用いても良いし、支持糸をかけて吊り上げても良いです。この時、漿膜筋層を含む腸管壁の全層を吊り上げて仮閉鎖することが重要です。

共通孔の大きさにもよりますが、だいたい3〜4箇所吊り上げることで仮閉鎖することが多いです。

仮閉鎖が済んだら、ステープラーを用いて吊り上げた部分を切除しつつ共通孔を閉鎖します。

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機能的端々吻合

吻合口が狭窄しないように注意してください。

ステープラーをリリースしたら、切除された吊り上げた部分の確認を行います。ステープルラインにおいて、漿膜筋層が脱落していなければOKです。もし脱落していれば縫合不全が危惧されるので、その部分に相当する箇所に、3−0吸収糸で漿膜筋層縫合を追加して補強しましょう。

補強

機能的端々吻合は、構造的に、吻合部の股の部分が弱いので、そこは必ず漿膜筋層縫合をかけて補強します。

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機能的端々吻合

ステープルラインが重なる部分には漿膜筋層縫合を追加して補強することが多いです。

ステープルラインは後々強固な癒着を生みやすいので、全て漿膜筋層縫合をかけて埋没することもありますが、必須ではありません。

腸間膜欠損部の閉鎖

頻度は多くないですが、内ヘルニアの原因となるため、可能であれば腸間膜欠損部は連続縫合による閉鎖を追加した方が良いでしょう。

最後に

機能的端々吻合に限ったことではないですが、ひとつひとつの操作を丁寧に確実に行うことが大切です。

この記事を参考に安全確実な吻合に努めて下さい。

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