嵌頓した鼠径ヘルニアの用手整復【禁忌や戻し方のコツを解説】

鼠径ヘルニア 用手整復外科

鼠径ヘルニアの嵌頓は救急外来で良く出会う疾患のひとつである。

上手く徒手整復(用手整復)できれば緊急手術が回避できる可能性が高まり、患者・医療者共にメリットが大きい。

ただ、鼠径ヘルニアの徒手整復(用手整復)にはコツがあり、少し心得ておく必要がある。

スポンサーリンク

適応

嵌頓(非環納性)ヘルニア

禁忌(腹膜炎のリスク)

  • 腹膜炎を疑うsickな外観または徴候
  • 腸閉塞
  • 壊死性または壊疽性の組織
  • 絞扼性ヘルニア

分類

環納性ヘルニア

腫脹は軟で、圧迫に応じて増減する。

腫脹は立位や息こらえによって増大、仰臥位でリラックスすると減少する。

嵌頓ヘルニア(非環納性ヘルニア)

患者がリラックスして仰臥位になっても、腫瘤は触知可能なまま。

緊満感のある腫脹を正常な皮膚が被覆

ヘルニアの中から腸の音が聞こえることがある。

絞扼性ヘルニア

外科的緊張事態(死亡率が高い)

血液の流れが悪くなったヘルニア

早期なら腸閉塞のみ(Richter'sヘルニアに注意。腸の一部だけが挟まれた状態で、腸閉塞が起こらないことがある)

ヘルニア部位に痛みや圧痛、硬結、発赤がある。

晩期なら腸の梗塞・壊死・腹膜炎

腹部膨満感あり、sickな外観、発熱あり、腸音消失

絞扼の程度にもよるが、6時間を超えると壊死の可能性あり。(シックス時間で腸も死す)

12時間を超えると整復不可。

具体的なテクニック

体位

仰臥位もしくは頭低位(トレンデレンブルグ位)

患側をカエルのように股関節開排させM字開脚させると筋肉の緊張が緩む。

鼠径ヘルニア 用手整復

アイスパック

浮腫を軽減する

十分な鎮痛

腹腔内圧を上げない

鎮静

必要に応じて。

※体位、冷却、鎮痛のみで整復することがある

徒手整復

瓶からこぼれた泡を、瓶の中へ戻すイメージ。

無目的に押さえても外にこぼれてしまい、中に入らない。

うまく瓶の中に戻すには、片手を漏斗のように使って細い瓶の口(外鼠径輪)に泡(嵌頓臓器)を導いてあげる。

鼠径ヘルニア 用手整復

片手で近位のヘルニア内容を外鼠径輪→鼠径管へガイドする。その状態でもう一方の手でヘルニアの遠位側面に穏やかな圧力をかける。

これをtaxis maneuver(直訳すると配列手技)と呼ぶ。

鼠径ヘルニア 用手整復

浮腫みのリスクがあるため過度の圧迫を避けること。整復がより困難になる。大物に対しては5-15分ほどかけてゆっくり優しく戻すと良い。

エコーを使用しても良い

エコーを、腸管の蠕動の有無や整復成功の確認の補助として使用しても良い。

外科
スポンサーリンク
シェアしてみんなにも教えてあげましょう!
Yasuのフォロー・応援をお待ちしています!
目指せ、トップナイフ!〜消化器外科医のブログ〜

コメントで一緒に記事を盛り上げましょう!

タイトルとURLをコピーしました