腹腔鏡手術とダビンチ(ロボット支援)手術との違いを9つの項目で比較

腹腔鏡 ダビンチ外科

前立腺癌などの泌尿器科領域で始まったロボット支援下手術。

近年は、直腸癌や胃癌など、消化器外科領域でも広まってきている。

ここでは、ダビンチ(da Vinci)を始めとしたロボットと腹腔鏡とを比較してみたい。

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手術時間

手術時間は腹腔鏡手術の方が短くなる。

というのも、ロボットの場合、ドッキングとアンドッキングにかかる時間があるため、実際の剥離などの手術操作以外に余分な時間がかかることが問題となる。

ちなみに、開腹手術は腹腔鏡手術よりもさらに手術時間は短くなる。

出血

腹腔鏡手術の登場以降、出血量は少なくなった。

腹腔鏡手術においても出血量は少ないが、ロボットではさらに少なくなるというデータもある。

ただ、臨床的にどれくらい影響があるかは微妙なところで、現実的な影響は大差はないかもしれない。

創部の大きさ

これはどちらも同程度となる。

合併症

術後の合併症は、腹腔鏡よりロボットの方が少ないというデータも見られる。これは今後の検討課題。

操作性

操作性は圧倒的にロボットが勝る。

腹腔鏡の場合、挿入する鉗子に関節がないのが最大の弱点。挿入できる場所が固定されているせいで、狭くて奥まった場所の操作が非常に困難になってしまう。

ロボットは、この点において、多関節アームを持っていたり、手ぶれ補正やモーションスケールが付加されていたり、固定したい時に微動だにしないほど固定されたりと、実際の手をさらに拡張したような精細な操作が可能となっている。

視野

ロボットは3Dカメラが標準。

それに対して、腹腔鏡は2Dのものもある。4Kや3Dのカメラも増えてきているので、カメラの画質自体の差はなくなるかもしれない。

コスト

ロボット手術普及の大きな壁のひとつとなっているのがコストの問題。

ダビンチは3億円ほどするため、ペイするためには年間300例の手術を要するという試算もある。

胃癌や直腸癌では2018年4月から保険が適用されるようになり、患者さんの負担としては減ったと言えるが、その分は国民がカバーするため、財政上の問題は残る。

期待されているのが、hinotoriなどの国産の手術支援ロボット。ダビンチの特許が切れた影響で、より安価な製品が増え、市場原理が働いてもう少し安価になってくる可能性はあるかもしれない。

長期的予後

癌の手術においては、出血や術後合併症などの短期的な予後だけでなく、5年生存率などの長期的な予後も重要な比較材料。

術後合併症が減り、術後補助化学療法がより早期に導入される症例が増えれば、長期予後は差が出るかもしれないが、数日ほどの差がどこまで影響するかは今後の試験の結果を待他ないと分からない。

リンパ節郭清

郭清できるリンパ節の数は大差がないという説やロボットの方が優れるという説もある。

これもまだまだデータ不足なので、今後の検討課題。

 

まとめ

腹腔鏡 ダビンチ

 

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