自動吻合器と自動縫合器の違い

外科
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ステープラーとは

ステープラー(stapler)とは、一般には、コの字型の金属をB字型に曲げることで紙を束ねる文房具のホチキスのことです。

ただし、手術室においては、ステープラーと言えば、自動縫合器や自動吻合器の総称(もしくはスキンステープラーという皮膚閉鎖用の器械)のことです。

自動縫合器と自動吻合器は、名前が似ており、その違いが分かりづらいという人も多いため、自動縫合器と自動吻合器の違いについての解説です。

自動縫合器

自動縫合器は、linear stapler(リニアステープラー)と呼ばれる直線型自動縫合器のことを指します。

2−3列のステープルの間にカッターが走り、組織の断端の縫合閉鎖と切離が同時に行える器械です。

12mmのトロッカーから挿入可能なため、腹腔鏡などの鏡視下手術と非常に相性が良いのが特長です。

現在は、消化管や肺や血管など様々な組織の離断や切離、消化管の吻合などに幅広く用いられています。

ここ数年で、ステープルが3列になってより強固なステープリングが可能となったり、先端が屈曲して、より狭い場所での使用が可能となったり、電子制御化されて、より精緻なステープル形成ができるようになったり進化を続けています。

代表的な自動縫合器

Signia™ Stapling System

signia

Signiaはコヴィディエン社製の自動縫合器です。

Adaptive Firing™ Technology Plus (AFT+)と言って、組織の抵抗をステープラーが感知し、最適な打針スピードに自動的に調整してくれるという機能を持っています。

Signia™ Stapling System | Medtronic

Powered ECHELON FLEX™

echelon

ECHELONはジョンソン・エンド・ジョンソン社製の自動縫合器です。

GST(グリッピング サーフェイス テクノロジー)Systemは、「ステイプルガイド」、「スマートアングル」、「クローズドレール」という3つの機能を搭載し、より適切なステープル形成ができるようになっています。

Powered ECHELON FLEX GST System | 製品情報 | エチコン | ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニ

自動吻合器

自動吻合器は、circular stapler(サーキュラーステープラー)と呼ばれる環状自動縫合器のことを指します。

消化管の吻合を行うための器械であり、食道空腸吻合、残胃十二指腸吻合、結腸直腸吻合などで用いられることが多いです。

円形に配置された2列のステープルの内側にカッターがあり、組織をつないで、内腔を確保するという、吻合が簡便にできるようになっています。

ここ数年で、経口アンビルヘッドが出て、鏡視下手術への適応が広まったり、ステープルが3列になってより強固なステープリングができるようになったりと進化してきています。

代表的な自動吻合器

DST Series™ EEA™ サーキュラーステープラー

DST EEA

 

DST Series™ EEA™ サーキュラーステープラーは、コヴィディエン社製の自動吻合器です。

独自のディレクショナルステープリングテクノロジー、ティルトトップアンビルなどの機能を備えています。

サーキュラーステープラー | コヴィディエンジャパン株式会社 | Medtronic

PROXIMATE®︎ INTRALUMINAL STAPLER ILS

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ILSは、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製の自動吻合器です。

ギャップセッティング機構などの機能を搭載しており、“Flexible Anastomosis”が可能となっています。

ILS | 製品情報 | エチコン | ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニ

自動縫合器と自動吻合器の比較

自動縫合器(リニアステープラー)の長所

12mmのトロッカーから挿入可能なため、鏡視下手術との相性が非常に良く、様々な場面での使用が可能となっています。腹腔鏡手術の進歩は自動縫合器の進歩のおかげである部分が多々あります。

(最近の機種は)片手だけで操作が可能なため、反対側の手で鉗子などを操作して、別のサポート操作ができるのもメリットです。

胃切除において、リニアーステープラーの方が、サーキュラーステープラーより、縫合不全や吻合部狭窄が有意に少なかったという報告もあります。そのため、どちらも使用可能な場面では、リニアステープラーの方が優れている可能性があります。

自動吻合器(サーキュラーステープラー)の長所

開腹での食道空腸吻合や、低位前方切除でのDSTなど、術野が深く狭い場所になるほど、その簡便な操作による吻合が絶対的な優位性を持つと言えます。

経口アンビルがより簡便になれば、鏡視下手術での食道空腸吻合などがより簡便になる可能性も秘めています。

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