虫垂の悪性腫瘍

外科

虫垂の悪性腫瘍は、全虫垂切除例の1%程度に見られると言われます。

虫垂切除術は、その実施数が多いだけに、意外と侮れない頻度となります。

今回は虫垂の悪性腫瘍について学びましょう。

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虫垂の悪性腫瘍の3つのタイプ

3つのタイプに分類されます。

  1. 神経内分泌腫瘍(NET)[以前はカルチノイド(carcinoid)呼ばれていました]
  2. 粘液嚢胞腺癌
  3. 結腸型腺癌

カルチノイドは現在はNETと呼ばれる

ここで、カルチノイドと、消化管の神経内分泌腫瘍(NET)についての歴史です。

カルチノイドという名称は、1907年にOberndorferにより命名されました。

その後、膵・消化管の腫瘍が、高分化型内分泌腫瘍・癌(WDET/WDEC)と低分化型内分泌癌(PDEC)に分類されました。

そして、2010年に、消化管のカルチノイドと呼ばれていた腫瘍は、組織の分化度に応じて、高分化型のNETと低分化型のNECに分類されました。

ちなみに、2017年に膵のカルチノイドと呼ばれていた腫瘍も、総称してNENと呼ばれることとなりました。

NENは、NET G1/G2/G3とNECに分類されることとなりました。

つまり、虫垂カルチノイドは、現在の(高分化型の)NETに相当します。

3つのタイプの特徴

虫垂のNET

虫垂のNETは、原発性虫垂癌より高頻度に発見される疾患です。そのほとんどがセロトニン産生EC細胞由来の腫瘍です。

粘液嚢胞腺癌

粘液嚢胞腺癌は、高い粘液産生能を有します。破裂した場合には、腹膜偽粘液腫を発症することが多くなります。

腺癌

腺癌は大腸癌の分化型腺癌と同様に血行性やリンパ行性に転移をきたしやすいのが特徴です。

頻度

術前診断は非常に難しく, 術前に虫垂癌と診断されたのは16%程度で、急性虫垂炎の診断で虫垂切除を行い、術中や術後に診断される方が多くなっています。

Connorらは、7970 例の虫垂切除例のうち、74例(0.9%)に虫垂腫瘍を認めたと報告しました。

組織別には

カルチノイド(NET)57%

悪性腫瘍27%

良性腫瘍16%

でした。

悪性腫瘍の中では、転移性腫瘍が55%と原発性腫瘍よりやや多くなりました。

症状は、急性虫垂炎のような症状が49%と最も多いです。

自覚症状に乏しく、他の手術の時に偶然発見されたものも9.5%もありました。

Niteckiらが16年間に経験した非カルチノイド腺癌は、94 例で、平均年齢は56.5歳でした。

組織分類は、

  • 粘液腺癌55%
  • 結腸型腺癌34%
  • 腺癌11%

でした。

第二の悪性腫瘍は、35%に見られ、約半数は同時性でした。

治療

虫垂癌の治療は、大腸癌に準じた右半結腸切除術です。

虫垂はリンパ組織が発達しているため、リンパ節転移を来しやすいのが特徴です。肉眼的にリンパ節転移が認められない例でも、38%にリンパ節転移を起こしていたと言われ、リンパ節郭清を含めた根治術が推奨されます。

また、右卵巣切除を併施した23例のうち、13例に転移を認めたので、右卵巣も切除するべきという意見もあります。

虫垂NETの場合は、原発性虫垂癌より悪性度が低いため、腫瘍が2cm以下であれば虫垂切除術のみで経過観察が可能とされています。

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