胃癌の術前補助化学療法(neoadjvant chemotherapy)〜日本における胃癌の周術期化学療法〜

外科
Medical x-ray illustration of stomach cancer - stomach tumor

胃癌の術前補助化学療法(neoadjvant chemotherapy)〜術前と術後の補助化学療法の比較〜

胃癌の術前補助化学療法(neoadjvant chemotherapy)〜欧米における胃癌の周術期化学療法〜

胃癌の術前補助化学療法(neoadjvant chemotherapy)〜今後の展望〜

日本は欧米と比較して、手術のクオリティが高かったり、TS -1が良く効いたりするため、単純に欧米のエビデンスが外挿されないことには注意が必要だが、日本でも徐々に術前化学療法の期待は高まった。

スポンサーリンク

日本での局所進行胃癌に対する現時点での標準治療

日本での局所進行胃癌に対する標準治療は、

手術(D2リンパ節郭清を伴う胃切除術)+術後補助化学療法(Stage ⅡならS-1内服1年間、 Stage IIIならS-1/Docetaxel またはS-1/OX またはCape/OX)

である。
しかしながら、まだ十分な5年全生存率を示しているとは言えず、術前化学療法付加による予後改善が期待されている。

2020年10月時点での暫定的に標準的な術前補助化学療法

「Bulky N」and/or「大動脈周囲リンパ節(PAN)転移陽性」

  • CPT/CDDPを試してNegativeな結果となったJCOG0001
  • DTX/CDDP/S-1を試してNegativeな結果となったJCOG1002
  • S-1/CDDPを試してR0切除率82.4%・cRR:65%・3年生存率58.8%とPositiveな結果となったJCOG 0405

上記の3つの試験が重要である。
これらの結果から、

「Bulky N」and/or「大動脈周囲リンパ節転移陽性」に対しては、術前化学療法としてS-1+シスプラチンを2クール投与してから、胃切除術

を行う。術後の病理学的病期に応じてさらに術後補助化学療法も行うというのが暫定的な標準治療となっている。
ちなみに、2コースと4コースの術前化学療法を比較したCOMPASS試験も行われたが、長期生存率に差がなく、術前化学療法は2コースが標準となっている。

大型3型および4型

根治切除可能な大型3型および4型胃癌に対する術前補助化学療法(S-1+CDDP療法)の有効性を検証する第III相試験であるJCOG0501が重要である。
JCOG0501は、JCOG0210試験(根治切除可能な大型3型および4型胃癌に対する術前補助化学療法としてS-1+CDDP療法の安全性を評価)の結果を受けて実施された。
手術+術後補助化学療法に対して、術前補助化学療法が有効かどうかが検証された。
結論として、JCOG0501試験では、術前補助化学療法の優越性は示されなかった。[ハザード比(HR)=0.92、95% CI: 0.68-1.24、p=0.284]
この試験への期待は高かっただけに、この結果はかなりの落胆をもたらした。
この試験の対象となるようなスキルス胃癌は、印環細胞癌など、もともと化学療法が効きにくいことが影響した可能性があるかもしれないが、当面は、この結果を受けて、

大型3型および4型の胃癌に対しては、胃切除術 +術後補助化学療法が標準治療となった。

外科
スポンサーリンク
シェアしてみんなにも教えてあげましょう!
Yasuのフォロー・応援をお待ちしています!
目指せ、トップナイフ!〜消化器外科医のブログ〜

コメントで一緒に記事を盛り上げましょう!

タイトルとURLをコピーしました