ナットクラッカー症候群(nut cracker syndrome)にまつわるエトセトラ

外科

左側腹部痛訴える患者さんが来て、血尿があったけど、尿管結石がない…。

そんな時は、ナットクラッカー症候群かもしれません。

今回は、ナットクラッカー症候群について学びましょう。

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ナットクラッカー症候群の病態

ナットクラッカー症候群は、左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈の間に挟まれることで、左腎の還流障害をきたす病態で、その結果、血尿などが生じます。
左腎静脈が、あたかもくるみ割り器に挟まれたように、腹部大動脈と上腸間膜動脈(SMA)との間で挟まれてしまうのです。

近年、MDーCTの発展により、割と頻繁に発見されるようになってきました。

ナットクラッカー症候群は思春期に多いといわれます。
これは、急激に身長が伸びて、体型が急に変わることが原因と推測されています。

左腎静脈と側副血行路

側副血行路として、腰静脈、上行腰静脈、性腺静脈、傍脊椎静脈などがあり、それらへの血液の逆流が観察されるとされます。
ちなみに、左腎静脈は、下大静脈近くの起始部で切離して良いことになっているのですが、これは、このような側副血行路が豊富だからです。

ただし、右腎静脈にはこのような側副血行路が発達していません。そのため、右腎静脈は切離してはいけません。

膵癌の手術で左腎静脈をグラフトに使えたりするのはこういう訳なんですね。

ナットクラッカー症候群の治療

側副血行路が発達すると血尿は自然消 失することが期待できるため、基本的には経過観察が望ましいとされています。
しかし、症状が長期間持続したり、痛みなどが強い場合には、ステント内挿術や、腎静脈を尾側の下大静脈に繋ぎ直す手術が行われることもあります。

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