急性虫垂炎の術前に抗生物質使用は推奨されるか?【ガイドライン】

外科

現在、一般に、術前には皮膚切開の直前に抗菌薬を投与することが推奨されています。

急性虫垂炎の患者でも同様に術前の抗生物質療法が推奨されているのでしょうか?また、術後経過に変化(合併症が減るなど)があるのでしょうか?

今回はこの辺りの疑問について、エルサレムガイドラインを参考に見ていきたいと思います。

Diagnosis and treatment of acute appendicitis: 2020 update of the WSES Jerusalem guidelines

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術後合併症の減少が見られた

2001年のコクランメタアナリシスでは、術前に投与された広域抗生物質が手術部位感染と膿瘍の減少に効果的であることを示しました。

虫垂切除術を受けた患者の抗生物質レジメンをプラセボと比較したランダム化比較試験と非ランダム化比較試験を分析しました。このレビューには、9,298人の患者を含む44件の研究が含まれました。抗生物質は、創傷感染や腹腔内膿瘍を予防においてプラセボより優れていました。

虫垂炎の程度には差がなかった

切除された虫垂の炎症の程度などの性質に明らかな違いはありませんでした[219]。 2005年に更新されたレビュー版でも、9,576人の患者を対象とした45件の研究を含め、同じ最終結果が得られています[220]。

最適な抗生物質投与のタイミング

手術前の抗生物質のタイミングは、急性虫垂炎の虫垂切除後の手術部位感染の頻度に影響を与えません。したがって、術前の抗生物質投与の最適なタイミングは、手術の皮膚切開の0〜60分前が良いとされます[221]。

まとめ

術前(外科的皮膚切開の0〜60分前)に広域抗生物質の単回投与を行うことは、手術部位感染と術後腹腔内膿瘍を減らすのに効果的であることが示されています。

→虫垂切除術の術前に広域抗生物質を1回投与することが推奨されます。

合併症のない急性虫垂炎の場合には術後抗生物質を使用しないことが推奨されます

[QoE:High;推奨の強さ:強い; 1A]。

参考文献

220.

Andersen BR, Kallehave FL, Andersen HK. Antibiotics versus placebo for prevention of postoperative infection after appendicectomy. Cochrane Database Syst Rev. 2005:CD001439.

221.

Wu W-T, Tai F-C, Wang P-C, et al. Surgical site infection and timing of prophylactic antibiotics for appendectomy. Surg Infect. 2014;15:781–5.

Google Scholar

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