虫垂間膜処理に最適なデバイスは何か?【ガイドライン】

腹腔鏡下虫垂切除外科

虫垂間膜の処理を行う時に使用するデバイスは、様々な物が考えられます。

腹腔鏡用の血管クリップ、エンドループ、電気メス、ハーモニックなどの超音波凝固切開装置、LigaSureといった機器のうち、一体どれが最も安全かつコストパフォーマンスに優れているのでしょうか?

今回はこの辺りの疑問について、エルサレムガイドラインを参考に見ていきたいと思います。

Diagnosis and treatment of acute appendicitis: 2020 update of the WSES Jerusalem guidelines

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腹腔鏡用の血管クリップ(エンドクリップ)やエンドループ

腹腔鏡下虫垂切除のシンプルかつ費用対効果の高い手法は、エンドループで結紮するか、少数のエンドクリップを使用することです。

LigaSureやハーモニック

炎症を起こし、浮腫のある急性虫垂炎の場合、特に壊死組織が存在する場合には、LigaSureの使用が有利であることが示唆されています[160、161]。
ただし、LigaSureは高額なコストがかかります。
そこで、虫垂間膜の浮腫が強くない場合はエンドクリップを使用するのが論理的です。
Diamantis は、LigaSureとHarmonicをモノポーラー電気凝固およびバイポーラー凝固と比較しました。
最初の2つ(LigaSureとハーモニック)は、他の手法よりも周囲組織の熱損傷を最小限に抑えました[162]。
また、LigaSureは、虫垂間膜と虫垂基部に、ハーモニックよりもさらに高い熱損傷を与えるという報告もあります。[163]。

電気メス

モノポーラー電気メスは、安全で迅速であり、合併症の割合や開腹転換が少ないため、腹腔鏡下虫垂切除における最も費用対効果の高い方法と考えることができます[164]。
Wrightらによる最近の後方視的コホート研究では、虫垂間膜と虫垂の離断に、リニアステープラー(自動縫合器)を使用することで、手術期間が短縮され、安全かつ効率的であると報告されています[165]。

まとめ

虫垂間膜の処理には、多彩な機器(単極電気メス、バイポーラー凝固、金属クリップ、エンドループ、LigaSure、ハーモニックなどの超音波凝固切開装置)が利用されています
これらの間で、転帰、入院期間、合併症率に臨床的な有意差は差異はありません。
→単極電気メスとバイポーラー凝固は最も費用効果の高い技術であるため、使用が推奨されます。
外科医の術中判断や利用可能な医療資源に応じて他のエネルギーデバイスを使用することも可能です。
[QoE:中程度。推奨の強さ:弱い。 2B]。

参考文献

160.

Yang H-R, Wang Y-C, Chung P-K, et al. Laparoscopic appendectomy using the LigaSure Vessel Sealing System. J Laparoendosc Adv Surg Tech A. 2005;15:353–6.

PubMed CAS Google Scholar

161.

Sucullu I, Filiz AI, Kurt Y, et al. The effects of LigaSure on the laparoscopic management of acute appendicitis: “LigaSure assisted laparoscopic appendectomy.”. Surg Laparosc Endosc Percutan Tech. 2009;19:333–5.

PubMed Google Scholar

162.

Diamantis T, Kontos M, Arvelakis A, et al. Comparison of monopolar electrocoagulation, bipolar electrocoagulation, Ultracision, and Ligasure. Surg Today. 2006;36:908–13.

PubMed Google Scholar

163.

Pogorelić Z, Katić J, Mrklić I, et al. Lateral thermal damage of mesoappendix and appendiceal base during laparoscopic appendectomy in children: comparison of the harmonic scalpel (Ultracision), bipolar coagulation (LigaSure), and thermal fusion technology (MiSeal). J Surg Res. 2017;212:101–7.

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164.

Perrin J, Morreau P, Upadhyay V. Is hook diathermy safe to dissect the mesoappendix in paediatric patients? A 10-year experience. N Z Med J. 2019;132:41–7.

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165.

Wright GP, Mitchell EJ, McClure AM, et al. Comparison of stapling techniques and management of the mesoappendix in laparoscopic appendectomy. Surg Laparosc Endosc Percutan Tech. 2015;25:e11–5.

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