後腹膜剥離先行内側アプローチのポイントと手術手順

外科
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右側結腸癌に対する手術のポイント

  • 安全かつ確実な surgical trunkの郭清を行うこと
  • 膵臓や十二指腸損傷の回避すること
  • 中結腸動脈の適切な処理を行うこと

後腹膜剥離を先行する利点

  1. 通常の内側アプローチでは、上腸間膜静脈 (SMV) より 左側まで、腸間膜と後腹膜との間を剥離することができない。後腹膜を剥離を先行すれば、SMVによる制限を受けることなく、広く剥離を行うことが可能となる。
  2. 十二指腸・膵前面の剥離を広い視野で行うことができるため安全性が高まる。
  3. SMV の背側の剥離が十分に行える。そのため、後に行う surgical trunk の郭清や、不意の出血の際の止血操作が容易となる。

手術手技

はじめに

臍・左右上腹部・左右下腹部に5ポートを設置。

腫瘍の位置を確認。

助手は患者の左側の頭側、スコピストは患者左側の脚側、術者は脚間に立つと良い。これによって手術メンバー全員がミラーイメージを回避できる。

後腹膜剥離

頭低位で、小腸を頭側右側へ脱転。

十二指腸水平部付近から回盲部に向けて小腸間膜根部を切開。

十二指腸水平脚の腹側を広く剥離。上行脚辺りまで剥離しておく意識。膵と十二指腸との間隙に誤って入り込まないように注意。

膵を確認した後は、膵頭部から十二指腸下行脚の腹側は、血管もなく容易に剥離できる。ASPDVには注意。

癒合筋膜間を剥離。

右尿管や性腺動静脈は薄い膜に覆われた状態で背側に自然に落ちていく。

剥離した後は、露出した十二指腸水平脚〜膵頭部の上に広くガーゼを敷いておき、後に誤ってこれらを損傷しないようにしておく。

内側アプローチ(郭清)

頭低位を解除して、右高位にし、小腸を尾側へ下ろし、左側に避けておく。

surgical trunkの郭清を行う。

回盲部を確認し、そこからたどって同定した回結腸動静脈を末梢側に牽引する。

回結腸動静脈を目印に、腸間膜を切開すると、背側の剥離層と簡単かつ安全に貫通して繋がる。

腸間膜切開を SMV 前面を超えて左縁まで延ばす。

SMV 前面を露出し、中枢側へ向かって surgical trunk の郭清を行う。

SMA 周囲は神経線維を温存。

中結腸動脈の走行を確認しておく。

腫瘍の支配血管を処理。

gastrocolic trunk(GCT) から分岐する副結腸静脈を切離する。

横行結腸を尾側へ下ろし、頭側から、大網を切開して網嚢を開放。

膵下縁から SMV 前面を露出して尾側からの郭清と連続させ、surgical trunk の郭清を完了させる。

授動の完了

肝彎曲部〜上行結腸を授動。

切除・吻合など

臍部の小開腹創より病変を体外に引き出す。

腫瘍を切除。

再建。

洗浄。

ドレーン留置。

閉腹。

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