なぜ腸閉塞やイレウスのCT読影で小腸が追跡できないのか?

腸閉塞 CT読影外科
スポンサーリンク

血流障害の鑑別にはCTを読影できるようになるしかない

腸閉塞のCT読影において、腸管に血流障害があるかどうかは最も重要な鑑別事項のひとつ。

これまでたくさん血液検査などで血流障害の有無が鑑別できないか研究されてきたが、決定的なものはないのが現状。だから、血流障害の有無を鑑別ができるか否かは、CTの読影ができるか否かでほぼ全てが決まる

CT読影から鑑別するには、腸管を追跡し、どこがどう閉塞しているのかを診断する必要がある。

しかし、この小腸の追跡は難しい!初心者は全くできないし、上級医であっても消化器系の医師でなければ、結構怪しいのが現実である。

そして、どの読影の教科書にも、小腸の追跡はできて当たり前ということなのか、小腸の追跡の仕方は解説してない。そのため日本中、いや世界中の研修医が困っている。

なぜ小腸が追跡できないのか?

では、なぜ小腸が追跡できないのか考えてみよう。

自分の過去の経験や、研修医達の読影を見ていてなんとなく原因だと思ったことがある。それは、一枚一枚の画像が連続したものとして認識できておらず、毎回次にどこへ小腸が移るか予想できていないということである。

つまり、腸管は本来は1本の連続した管なのに、たくさんの点の連続にしか見えていないのだということに気づいた。

読影のための小腸の解剖のポイント

当然だが、腸閉塞のCTの読影でも、やはり解剖の理解が重要となる。

ただ、ここではざっくりとした理解で問題ない。

腸閉塞 CT

覚えておくのは1つ。「小腸はSMAというカーテンレールに吊るされた4-5mのカーテンである」ということである。

そもそも、腸閉塞のCT読影ができない段階では、小腸は下の画像のような複雑に絡み合った麺の塊のように見えている

腸閉塞 CT読影

こんなランダムな変化は誰だって追跡が超絶困難である。

実は現実はもっとシンプル。

腸閉塞のCT読影が上手な人には、小腸はつづら折りの道のように見えている

腸閉塞 CT読影

実際は以下のような感じ。少し複雑だがカーテンのような、つづら折り道のような構造になっているのが分かる。

腸閉塞 CT読影

CTで小腸の追跡をするにはサイン・コサインのグラフが重要なのだ

つづら折りの道は、波のように見える。ある程度の一定の規則で寄せては返す波である。

もっと理解をシンプルにするために、波を極限までシンプルに表した三角関数のグラフを思い出して欲しい。

三角関数のグラフの傾きは、一定のリズムで少しずつ増減しながら上向いたり下向いたりしている。

腸閉塞 CT読影

CTで小腸を追跡するのも三角関数のグラフをたどるのとよく似ている。小腸は、前後方向、左右方向、上下方向のいずれにおいても、連続的に緩やかに変化しつつ移動するのだということをまずは頭に叩き込む。(ただし閉塞部となる変曲点は除く)

この寄せては返す波のように、腸管の位置が移動していくことをイメージできることが第一段階。このイメージがつかめると、画像から次の画像にかけて、小腸がどのように移動するかの予測精度が格段に高まる!

あとは、上記の予測を念頭に置きながら、三角関数のような一定のリズムで、上下方向のマウスのスクロールホイールと前後左右の視線とマウスのポインタとを動かして追跡するのである。

最後は練習あるのみ

ただし、基本が解ってもすぐにできるようになるわけではないので注意。やはり丹念な練習の積み重ねは欠かせない。

さらに言えば、手術になった症例は直接腹腔内を観察してもらいたい。その後にCTを見直すことができれば2DのCT画像と3Dの生の腸管との位置関係が有機的に頭の中で統合されて飛躍的に読影能力がUPするはずである。

外科
スポンサーリンク
シェアしてみんなにも教えてあげましょう!
Yasuのフォロー・応援をお待ちしています!
目指せ、トップナイフ!〜消化器外科医のブログ〜

コメントで一緒に記事を盛り上げましょう!

タイトルとURLをコピーしました