『TNMB分類』とは 〜改良された固形腫瘍のためのがん病期分類システム〜

TNMB分類外科

術後のctDNAの有無が予後と強く関連していることが報告され、TNM分類に液体生検によるctDNA評価を合わせた『TNM-B分類』といった構想も提唱されはじめている。

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従来のTNM分類

Tumor・Node・Metastasisの3つの要素による、現在のTNM分類による病期分類システムは、1943-52年にPierre Denoixにより考案された。これは、疾患の解剖学的範囲を記述するための統一されたガイドを提供することにより、治療レジメンおよび生存予想を標準化することを目的として、悪性腫瘍を分類するためであった。

この分類の導入以来、TNMシステムは固形腫瘍の病期分類に、広く国際的に受け入れられている。TNM分類基準を適用して、がんは4つの病期(I、II、III、IV)のうちの1つに分類され、治療経過および疾患予後の予測を提供する診断が行われる。遠隔転移が陽性のIV期は進行した病期であり、一般的に予後不良である。

がんの予後バイオマーカー研究は個別化医療(テーラーメイド医療などとも呼ばれる)を推進する大きな可能性を秘めている。しかし、個別化医療の実施の複雑さも同様に大きいものである。

血中のctDNAレベルの定量化は、この難問に対する実用的な解決策を提供している。

TNMB分類とは

がんの進行および/または転移性疾患のリスク評価を改善する新しいゲノム技術に照らすと、TNMシステムを修正することを検討する時期に来ている。

そこで、修正された病期分類システムすなわち、「TNMB分類」が提唱されている。

TNMB分類とは、従来のTumor・Node・Metastasisの3つの要素による、TNM分類による病期分類に加えて、ctDNA評価から得られる予後および治療的意味合いを捉えるために、血液サンプルによって得られる液体生検の結果である「B:Blood」という項目を追加するというものである。

これにより、TNM病期分類が補完される。

データが蓄積されるまで、ひとまずは、Mカテゴリーと同様に、検出可能なctDNAの欠如('B0')または存在('B1')としてB分類を定義することができる。標準化された基準が必要ではあるが、B病期分類は部位に関係なくほとんどの癌に適用されるべきである。

将来的に、文献が蓄積されてくれば、部位別に臨床的に意味のあるカットオフ値を持つctDNA定量データを含むように、さらに分類を改良することができると予測される。

TNMB分類

図:TNMB分類のシェーマ
各カテゴリーの列は、がんのステージを分類するための解剖学的評価基準であり、下にいくほど腫瘍が進行していることを示している。
ゲノミクス技術の進歩により、これまで明らかではなかった指標であるctDNAが明らかになった。これによって、より正確ながんの病期分類と治療が可能になることが期待されている。

TNMB分類の今後の展望

まずは、病期ごとの生存率を評価するために、大規模なデータ登録が必要である。

突然変異負荷、作用可能な突然変異、転移関連の突然変異などのデータを将来的に取り入れることで、「B」項目の臨床的影響力をさらに高めることができると思われる。基礎医学の分野で、臨床的有用性が実証されたため、液体生検検査のエンドポイントとして、ctDNA突然変異負荷を評価することが推奨されいる。

将来、がんの再発および患者の生存率を予測する上での精度について、TNM病期分類とTNMB病期分類を比較する前向き研究が必要となる。

ctDNAに関する文献の増加は、各腫瘍タイプの「B」指定の中で臨床的に意味のあるカテゴリーを定義するのに役立つ可能性が高い。

外科
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